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ロボットから鉄道シミュレータまで!最新技術が集まった第2回鉄道技術展レポート

2011年12月6日(火) 取材・文●相澤裕介

これは何に使われるのでしょうか?

A:これは、線路の枕木を支えるバラスト(石や砂利)を整えるのに使用される「タンピングツール」です。

 大小ある石や砂利からよい形のものだけを選別したり、バランスよく配置したりする時に活躍します。このように、列車が安全に運行するためには、線路や枕木、バラストなどの保守技術も欠かせない要因となります。スイスに本社を要するマティサ・ジャパン株式会社のブースでは、保線技術の展示が行われていました。

 東海道・山陽新幹線のドクター・イエローに代表されるように、保線を担当する車両は黄色くペイントされていることが多く、これは世界的に見ても同様の傾向があるそうです。マティサ・ジャパンが提供する車両もそのほとんどが黄色い車両。威圧感があり、いかにも機械的な独特の車両は、一部の鉄道ファンからは一目置かれる存在です。しかし、最近は鉄道会社からの要望で、色鮮やかなデザインが施された保守車両も登場しているそうです。

枕木を交換する車両や、線路を運ぶ車両など様々です。

 マティサの最新技術として展示されていたのは「リアルタイム光学式検測装置」。こちらはレーザ光を利用してレール表面や左右の歪みを測定する機器です。従来は時速60km/h以下でレールの歪みを計測していたのですが、この技術を使うと時速200km/hでもレールの状態を測定することが可能になるそうです。短い路線であれば、終電から始発までの間に全路線を測定することも不可能ではないようです。

 ちなみに、このような計測機器がなかった時代は、夜を徹して、糸を使っての手作業で線路の歪みを測定していたそうです。これは、時間がかかる上に、誤差も生じます。当時から考えれば、保線技術も相当に進化しています。

高速で線路の歪みを測定できる「リアルタイム光学式検測装置」。
線路の歪みはなぜ起こる?
 鉄道の線路(レール)は鉄でできているめ温度に応じて伸縮します。この伸縮に対応できるように、レールのつなぎ目には「遊間」という隙間が設けられています。ただ、猛暑になると「遊間」がゼロになってしまい、レール内部に圧力が生じてレールが歪んでしまう場合があります。そのほか、列車の走行時に生じるレールの変形や地質的な影響などにより、徐々にレールが歪んでしまう場合もあります。
デザイン的にも機能的にも進化する駅構内の案内板
 こちらは株式会社トライテラスの「SMART SIGN」(スマートサイン)。最大の特長は、厚さ13mmしかないパネルで発光式の案内板を作成できること。従来の蛍光灯を配したボックス型案内板の場合、少なくとも10cm以上の厚さが必要となりますが、この製品を使えば薄くてスタイリッシュで洗練された案内板を作成できます。
わずか13mmの厚さで発光式の案内板を作成できる「SMART SIGN」。トライテラスは、LED照明「SMART CHANDELIER」(スマートシャンデリア)に代表される、洗練された新しい照明のカタチを提供する企業で。今回のイベントでは、駅構内の案内板などに利用できる照明技術が展示されていました。
 「SMART SIGN」はパネルの上部にLEDが配置されており、その光をパネル(導光板)の中で乱反射させることによりパネル全体を発光させる仕組みになっています。このため、円形や湾曲した形状にも対応することが可能。LEDなので発光色を自在に変化でき、バリエーションに富んだディスプレイを実現できるのも「SMART SIGN」の特長と言えるでしょう。
車内掲示用の路線図に「SMART SIGN」を利用した例です。このように、曲面に沿わせることも可能です。
「SMART SIGN」を利用して作成されたディスプレイです。
 光源にはLEDを使用しているため、消費電力が少なく長寿命なのも利点となります。従来の蛍光灯方式に比べると、パネルの面積が大きくなるほど消費電力効率は良くなるというエコな一面もあります。駅構内にある案内板は高い位置に設置されていることが多いため、その交換にも要する手間を削減できるのも利点です。すでに名古屋鉄道の駅名看板などで「SMART SIGN」が採用されているように、今後は新しいタイプの案内板が普及していくと予想されます。

幅広い分野の技術が結集する鉄道技術展

 これまでに紹介した技術・製品のほかにも、鉄道技術展には多くの企業による展示が行われていました。今回紹介したのは、そのほんの一例に過ぎません。特に、乗客の安全を守るための努力が随所に見られ、普段何気なく利用している鉄道ですが、その背景には実に様々な分野の技術が集結していることを実感しました。

 自動車の燃費が改善され、運転者の負荷を減らす技術が次々と登場しているように、鉄道もまた着実に進化を遂げています。時代を見据えた新技術が次々と開発されているのを確認できる展示会でした。

 鉄道技術展は、その道のプロや業界関係者が集まるイベントですが、一般の方でも入場できます。興味のある方は、ぜひ来年開催されるこのイベントを訪れてみてはいかがでしょうか。

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